2020年1月21日火曜日

画角(応用編) 画角でマンガパースを理解しよう

では、画角の知識をパースに生かしてみましょう






画角の話の続きです。

■1.画角と消失点の数の関係

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「かんたん! マンガパース術」で「基本的に立方体の消失点は、画面に一つだけ」というルールを紹介しました。

前回の画角の基礎を読んだ方は、ピンときた方もいるでしょう。

画角45度を標準として考えると、必然的に消失点は一つしか入りません。
絵に消失点が二つ以上入るためには、画角は90度以上必要です。
(これはレンズで言えば広角~超広角相当で、絵としては特殊な画角になります)


■2.画面と消失点の位置の話


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これも「かんたん!~」で書きましたが、消失点の位置はまずラフを描いて、そこから決めるべきです。「コマ(フレーム)からこれくらい離れて…」といった決め方は、あまりよくありません。

そこをあえてコマ(フレーム)から自然な消失点の位置を考えてみると、大体したの様になります。図は消失点とコマ(フレーム)の関係がわかりやすい様、斜め45度から見た対象の構図です。

大雑把に言うと、消失点とコマ(フレーム)の位置関係は、コマが縦長か横長か、で変わります。

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コマが縦長でも横長でも、自然に見えるためには消失点同士が同程度に離れている必要があります。

縦長のコマは、消失点はフレームからかなり離れます(いわば横の画角が狭いわけです)。
対して横長のコマは、消失点はフレームに近づきます(横の画角が広い)。

仮に、真ん中のコマの絵を拡張してさらに横長のコマにしたい場合は、消失点を外側に動かす必要があります。(多分見た目ではわからないと思いますが、下の絵はパースに合わせて、真ん中の絵の線を引き直しています)

※これらはあくまで基本ルールです。ディフォルメなどの絵の表現として、あえて消失点が二つ入っている構図を描く等は自由です。



■「画角」は、漫画を描くにあたって必ずしも覚えなくても良いです

絵は、「見て手で描いて理解するタイプの人」と、「理屈で理解するタイプの人」がいると思います。(両方兼ねているのが理想かもしれませんが)

最初に書きましたが、絵を描くにあたって、「画角」は必ずしも必須の知識ではありません。実際、「かんたん! マンガパース術」では、画角という用語は使わず、考え方のポイントだけを書きました。
が、理屈で理解するタイプの人は、画角がわかるとパースのいろいろな疑問点の解決に役立つと思います。

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